通勤手当の非課税限度額の改定

           

         

                   

通勤手当の非課税限度額の改定


平成26年10月17日に所得税法施行令の一部が改正され、

マイカーや自動車などを通勤に使用している人に支給する通勤手当の

非課税限度額が引き上げられました。

 

https://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/

 

この改定で、平成26年4月1日以降の通勤手当は改定後の非課税限度額となりました。

この機会に通勤手当の課税関係についてまとめてみたいとおもいます。

 

(1)通勤手当とは

 

通勤手当と給与は名目が違うだけではなく、支払う方も受け取る方も税金が異なります。

たとえば法人の場合、従業員に支払った通勤手当は、非課税限度額までなら全額を旅費交通費として会社の経費にすることができます。

 

また、常勤役員への通勤手当の支払いも認められています。通勤手当は支払う側の節税になるのですが、

通勤手当には所得税もかかりませんから受け取る側にとっても所得税の節税になるというわけです。

つまり、会社側にとっても従業員側にとっても節税になるので、金額は小さいですが給与としてもらうよりもお得です。

 

だからといって、あまりに多い通勤手当をもらって非課税の範囲を超えると、

給与とみなされて課税されることがあるので注意しなければいけません。

 

また、いくら非課税の範囲内であったとしても、新幹線のグリーン車代金やタクシー通勤、運転手付き通勤など、

常識的に考えて通勤に不必要なものには通勤手当は支給されません。

 

(2)改定後の1ヶ月あたりの非課税限度額

 

具体的な1ヶ月あたりの非課税限度額については、下記の通りです。

 

1.交通機関や有料道路を利用している人に支給する通勤手当については、正当な運賃であれば課税されません。(最高で10万円)

 

2.通勤用定期乗車券についても、正当な運賃であれば課税されません。(最高で10万円)

 

3.マイカー通勤や自転車通勤の人に支給する通勤手当で課税されない金額は以下の通りです。

 

通勤距離が片道55キロメートル以上の場合 31,600円
通勤距離が片道45~55キロメートル未満の場合 28,000円
通勤距離が片道35~45キロメートル未満の場合 24,400円
通勤距離が片道25~35キロメートル未満の場合 18,700円
通勤距離が片道15~25キロメートル未満の場合 12,900円
通勤距離が片道10~15キロメートル未満の場合 7,100円
通勤距離が片道2~10キロメートル未満の場合 4,200円
通勤距離が片道2キロ未満である場合 全額課税

 

 

4.1~3を併用している人に支給する通勤手当や通勤用定期券については、1~3の合計額までが非課税です。(最高で10万円)

 

(3)社会保険料との関係

 

通勤手当は所得税の計算からは除外してかんがえますが、社会保険料や労働保険料を計算する際には給与と合算して行います。

そのため、通勤手当を支給することは節税になりますが、社会保険料や労働保険料の計算に影響を与えることはありません。

 

(4)まとめ

 

給与所得者に支払われる通勤手当の非課税限度額についてまとめてみました。

 

通勤手当は経費として計上できますし、きちんと計算すれば節税としても活用できる費用です。

また、通勤手当は常勤役員にも支給できるので、細かい手続きでもきちんと帳簿をつけ、計上していくことが大切です。