実は決算書より重要!銀行融資を成功させる「制度」の活用術

皆さんこんにちは。税理士の中川祐輔です。

毎週金曜日に、経営者なら知っておきたい「銀行融資」についての知識を解説しています。

資金調達や銀行融資の相談を受ける際、多くの経営者の方が口を揃えてこう言われます。

「結局、黒字じゃないと銀行は貸してくれないんでしょう?」

「銀行員を納得させる、立派な事業計画書を作るテクニックを教えてほしい」

はっきり申し上げます。その考え方のままでは、本来借りられるはずのお金も、借りられなくなってしまいます。

実は、融資に強い社長や、我々のような実務の現場にいる専門家が、銀行に行く前に真っ先に確認しているのは「決算書の数字」ではありません。

今回は、多くの経営者が見落としている、しかし決定的に重要な融資の「本質」についてお話しします。

財務分析よりも先にやるべき「最優先事項」とは

「銀行融資を攻略するために、最も必要なものは何か?」

こう問われたとき、あなたなら何と答えますか?

「償却前利益がいくらか」という計算でしょうか? それとも「精緻な事業計画書の作成テクニック」でしょうか?

答えは、どちらでもありません。正解は、「制度(ルール)」を知っているかどうかです。

これは決して、裏技や小手先のテクニックの話ではありません。

銀行融資、特に我々中小企業が利用する融資は、国の「経済対策」や「国家予算」と密接に連動して動いているという事実を指しています。

銀行は「国の方針」に従って動く

銀行も営利企業ですが、同時に公共性の高い機関でもあります。

つまり、その年に国が「どういう企業にお金を流したいか」という政策(制度)を知らなければ、いくら自社の財務内容が良くても、最適な融資を引き出すことはできません。

逆に言えば、多少決算書の内容が振るわなくても、国が「今、こういう企業を助けたい」「こういう分野に投資させたい」と考えて作った「制度」に合致していれば、融資の扉は驚くほど簡単に開くことがあるのです。

「制度」を知らないと損をする具体例:2025年の経済対策

「制度を知っているかどうかの差」が、どれほど経営にインパクトを与えるか。具体的な事例で見てみましょう。

例えば、2025年の経済対策の文脈において、「プロパー融資の借り換え特別保証」のような制度が議論されているのをご存知でしょうか?

銀行員が嫌がる「プロパーから保証協会付き」への変更

通常、実務の現場では、プロパー融資(銀行が100%リスクを負う融資)を、信用保証協会付きの融資に借り換えることは非常に嫌がられます。あるいは、断られるケースがほとんどです。

なぜなら、銀行からすれば「自社で負っていたリスクを、保証協会(国)に押し付ける」ような形になり、モラルハザードの観点からも推奨されないからです。

しかし、ここで「制度」の知識が武器になります。

「制度」という後ろ盾があれば交渉が変わる

もし、「国が経済対策として、プロパー融資の借り換えを推奨する制度(予算)を作った」という事実を知っていればどうでしょうか。

ただ単に「返済が苦しいから借り換えたい」と頼めば断られます。

しかし、「この新しい制度の要件にうちは当てはまるから、制度を利用してプロパーを保証協会付きに借り換えてくれ」と言えば、話は全く別です。

これは「お願い」ではなく、「制度の活用」という正当な権利の主張になるからです。

これにより、銀行側も「国の施策であれば」と動きやすくなります。

この交渉ができるかできないかで、会社の資金繰りは天と地ほどの差が生まれます。

会社の業績ではなく「情報の差」で決まる

前述のようなケースにおいて、融資が通る会社と通らない会社の差はどこにあるのでしょうか。

  • 社長の人柄でしょうか?
  • 会社の利益率でしょうか?

いいえ、違います。

「その制度があることを知っていたか、知らなかったか」

ただそれだけの、「情報の差」です。

このことを知らない社長は、「プロパーの返済が重い…銀行も借り換えに応じてくれない…」と、夜も眠れずに悩み続けることになります。

一方で、これを知っている社長は、サッと制度を使って資金繰りを楽にし、空いたリソースを本業の売上アップに注ぎ込みます。

融資に強い社長というのは、特別なコネクションを持っているわけではなく、この「アンテナ」が高い社長なのです。

まずはここから!今すぐチェックすべき「2つのHP」

「情報の重要性はわかった。でも、どうすればその『情報』が得られるのか?」

そう思われた方もご安心ください。

難しい金融の専門書を読んだり、有料のニュースレターを購読したりする必要はありません。

まずは、以下の2つのホームページを見る癖をつけてください。

  1. 信用保証協会の「保証制度のご案内」
  2. 日本政策金融公庫の「融資制度を探す」

これらは、中小企業経営者にとっての「宝の地図」です。

「創業支援」のページに隠されたヒント

例えば、信用保証協会の「創業支援」や「経営力強化」に関連するページを見たとします。

そこには、事務的な文字で条件が羅列されています。

  • 保証限度額:3,500万円
  • 保証期間:10年以内

多くの人はここを読み飛ばしますが、融資に強い経営者はここで立ち止まります。

そして、こう考えるのです。

「通常の運転資金は5年返済が相場だけど、この制度を使えば10年返済で借りられるということか!」

「返済期間」は資金繰りの命綱

この気づきは、経営において極めて重要です。

例えば、3,000万円を借りた場合を単純計算で比較してみましょう。

  • 5年返済の場合
    年間600万円(月額50万円)の元金返済
  • 10年返済の場合
    年間300万円(月額25万円)の元金返済

制度を知って「10年返済」を選択できるだけで、毎月のキャッシュアウトは半分になります。

毎月25万円の差額があれば、新たな広告を打つことも、アルバイトを一人雇うこともできるかもしれません。

銀行員が親切に「社長、こんな良い制度がありますよ」と教えてくれるとは限りません。

銀行員も忙しく、全ての制度を把握しているわけではないからです。

武器(制度)は、自分で見つけて装備するものなのです。

まとめ:2025年は「制度」を使い倒す経営者に

今回は、融資における「制度」の重要性についてお話ししました。

融資の支援とは、単に決算書の数字を綺麗に整えることではありません。

「御社の現状なら、国のこの予算(制度)を使って、こういう条件で借りられます」と、無数にある制度の中から、自社にハマるピースを探し出し、パズルのように合わせる作業です。

「うちは赤字だから借りられない…」

「銀行との交渉が苦手だ…」

そう諦める前に、まずは使える「制度」がないかを探してみてください。

国は中小企業を支援するために、毎年莫大な予算を組んで様々なメニューを用意しています。

そこには必ず、現状を打破する突破口があるはずです。

2025年は、情報のアンテナを高く張り、「制度」を使い倒して、盤石な財務体制を築いていきましょう。

【自社の融資可能性を知りたい経営者様へ】

「制度が大事なのはわかったけれど、自分で全部調べるのは大変だ」

「今の自社の状況で、どの制度が使えるのか具体的に知りたい」

そう思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。

当事務所では、単なる決算書のチェックだけでなく、「貴社が今使える融資制度・保証制度」を徹底的に洗い出し、最も有利な条件で資金調達を行うためのプランをご提案します。

まずは現状の悩みをお聞かせください。一緒に解決の糸口を見つけましょう。

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