子供の金融教育になる節税対策!資産と一緒に『守り方』を贈る

皆さんこんにちは。税理士の中川祐輔です。

毎週水曜日に、経営者なら知っておきたい「節税対策」についての知識を解説しています。

「子供に資産を残してやりたい。しかし、若いうちに大金を手にすることで、子供の人生を狂わせてしまわないだろうか」

日々、多くの中小企業経営者様から資産承継のご相談を受ける中で、この悩みは非常に切実で、かつ頻繁に耳にするテーマです。

事業で成功を収め、築き上げた資産を次世代に託す。それは親として当然の願いです。

しかし、使い道が自由な「現金」をそのまま渡すことには、大きなリスクが潜んでいます。

それがかえって子供の労働意欲を削いだり、安易な浪費につながったりするのではないかという懸念は、決して杞憂ではありません。

そこで現在、私が多くの経営者様にご提案し、大変喜ばれている手法があります。

それが「小口不動産(小口化不動産)」を活用した生前贈与です。

これは単なる相続税対策ではありません。

実は、資産を守るための「教育」と、無駄遣いを防ぐ「仕組み」をセットで贈ることができる、非常に理にかなった承継方法なのです。

今回は、資産と一緒に「守り方」や「親の想い」も贈る、賢い承継の形について、税理士の視点から詳しく解説します。

経営者の切実な悩み「現金贈与」のリスクとは

資産移転を考える際、最もシンプルな方法は「現金」での贈与です。

しかし、富裕層や経営者の方が現金のまま贈与を躊躇する最大の理由は、その「流動性の高さ」にあります。

現金は、受け取った瞬間から自由に使えます。

高級車の購入、身の丈に合わない遊興費、あるいは経験のない事業への安易な出資……。

若くして大金を手にしたことで金銭感覚が麻痺してしまうケースは、残念ながら珍しくありません。

「資産は残したいが、それが子供にとって『毒』になっては意味がない」

このジレンマを解消するのが、現金を「不動産」に変えて贈与するというアプローチです。

そしてその中でも、特に扱いやすいのが「小口不動産」という選択肢になります。

現金の「使いやすさ」を封じる、不動産のメリット

不動産を贈与する場合、現金とは決定的に異なる特徴があります。

それは「すぐには使えない」という点です。

「換金のしにくさ」が安全装置になる

不動産は現金のように、ATMで引き出したり、カード決済で使ったりすることはできません。

もし現金化して使おうとすれば、以下のようなプロセスが必要になります。

  1. 不動産仲介会社への売却依頼
  2. 買い手探しと価格交渉
  3. 売買契約の締結
  4. 登記手続きと手数料の支払い

これには当然、一定の手間と時間がかかります。専門用語で言えば「流動性が低い」状態です。

一般的に投資の世界では流動性が低いことはリスクと捉えられますが、事業承継や贈与の場面においては、この「換金のしにくさ」こそが、安易な浪費を物理的に防ぐ強力なメリットとなります。

「大切に持ち続ける」というメッセージ

「この不動産は、将来のために大切に持っておきなさい」

現金を渡すだけでは伝わりにくい親の想いも、不動産という「モノ」を通じて渡すことで、重みを持って伝わります。

これは、親心としての安心感に直結する、非常に重要な要素です。

家賃収入と確定申告が生きた「金融教育」になる

小口不動産を活用した贈与には、もう一つ、「資産防衛の教育」という隠れたメリットがあります。

不動産を贈与すると、そこから発生する家賃収入は、当然ながら所有者となったお子様のものになります。

私がこの手法をお勧めする際、必ずお伝えしているのが、「これは単なるお小遣いではなく、実地訓練の機会です」ということです。

投資リターンの実感

毎月入ってくる家賃収入を通じて、お子様は「資産が資産を生む」という投資の基本サイクルを肌で感じることができます。

労働対価以外のお金の流れを知ることは、経営者の家系にとって不可欠な素養です。

税金の仕組みを学ぶ機会

そしてさらに重要なのが、「税金」との向き合い方です。

不動産所得が発生すれば、年に一度、確定申告が必要になります。

  • どのくらいの収入があり、経費がいくらかかったのか
  • その結果、いくらの税金を納めなければならないのか

これらをご自身で、あるいは税理士と一緒に手続きすることで、日本の税制や社会の仕組みを学ぶことができます。

ただお金を与えるのではなく、「この不動産を通じて、運用の勉強をしなさい」と、資産管理のノウハウを経験として積ませる。

これこそが、経営者の家庭における最高の情操教育ではないでしょうか。

「争族」を未然に防ぐ小口不動産の「分けやすさ」

不動産贈与には、従来からある大きな課題がありました。それは「分けにくさ」です。

例えば、一棟のアパートやご自宅のような大きな不動産を、複数の子供たちにどう分けるか。

物理的に半分に切ることはできないため、多くの場合は「共有名義」にせざるを得ません。

しかし、共有名義の不動産は、将来の売却や活用の際に全員の合意が必要となるため、兄弟間の意見の不一致やトラブル(いわゆる「争族」)の火種になりがちです。

ケーキのように切り分けられる

その点、小口不動産は非常に優秀です。

小口不動産とは、数十億〜数百億円規模の優良な不動産を、一口数百万円〜数千万円単位に小口化して販売される商品です。

これらは「一口単位」で明確に分割できます。

例えば、総額で同じ価値を贈与する場合でも、

  • 長男には10口
  • 次男には10口

といったように、ケーキを切り分けるように公平に、かつ独立した資産として配分できるのです。

これにより、将来の遺産分割協議での揉め事を未然に防ぎ、円満な資産承継が可能になります。

将来の増税リスクへの「ヘッジ」として今動く

最後に、経営者の皆様にぜひ意識していただきたいのが、「税制改正リスクのヘッジ」という視点です。

税金のルールは、時代と共に変わります。特に資産税(相続税・贈与税)の分野は、近年、課税強化のトレンドにあります。

将来、相続税の基礎控除がさらに引き下げられたり、不動産の評価方法が変更(時価評価の導入など)されたりするリスクはゼロではありません。

贈与税は、「贈与を行った時点」の税制で計算され、納税が完了します。

つまり、今の有利なルールのうちに贈与を実行し、課税関係を確定させておくことは、将来の不確実性から資産を守るための鉄則なのです。

「あの時やっておけばよかった」と後悔しないためにも、リスクヘッジとしての生前贈与は、非常に有効な経営判断と言えます。

まとめ:次世代へ「想い」をつなぐ

節税対策というと、どうしても「いかに税金を減らすか」という数字の側面ばかりに目が行きがちです。

しかし、私たちが目指すべき本当の目的は、皆様が人生をかけて築き上げた資産を、「幸せな形で」次世代に引き継ぐことではないでしょうか。

子供の自立を促し、無駄遣いを防ぎ、兄弟間で公平に分ける。そして、資産管理の知恵を授ける。

小口不動産を活用した贈与は、そんな「親の想い」を形にできる、非常に理にかなった選択肢です。

単にお金を残すのではなく、資産を守るための「知恵」と「仕組み」を贈る。

そんな賢い承継の準備を、今から始めてみませんか。

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